早春。春の始め。
まだ肌寒い、春。







バス停にて。







「哉太、俺にも一本取って」
お菓子届かない。
哉太は「ああ」と言うように目を細め、口を動かしながら宮地の箱に手を伸ばした。
途中、宮地が無言でお菓子の箱を差し出す。
すれ違いの哉太は不満を漏らしたが、もう一本取って食べ始めた。
「ありがとう、二人とも。…哉太、それ5本目だぞ?」
食べ過ぎるなよ?
子供みたいな彼にちょっと笑うと、哉太はお菓子をくわえたまま「宮地の方が甘い物食い過ぎてるし」。
指摘された宮地は「…む、そうでもない」などと言いながら、『くり〜むどらやき』と書かれた袋を隠した。彼はクリーム系に目がない。
すると、今まで黙って見ていた青空が、袋を取り上げてにっこり笑う。
「太って彼女に嫌われても知りませんよ?」
「む…」
伸ばしかけた宮地の手が止まる。
その時、
「――アイツだ」
哉太の手が止まり、一点を見つめ出した。
「え、どこ?」
「どこですかね?…あっ」
「…こけたな」
立ち上がる。制服に付いた砂を払い、走り出す。
「走るなって、転ぶぞー!」
駆け寄ろうと踏み出した俺の服を、誰かがむんずと掴んだ。
「抜け駆けさせるかよ!」
眼光鋭く、己が行くとばかりに飛び出したのは哉太。
「おい――、」
ぐっ
哉太の腕を掴んだのは宮地。無言の圧力が痛い。
「抜け駆けはさせん」
「放せって!」
こうして俺達が争ってる間に、アイツが着いた。
「おはよう!」
息を切らして、頬を染めて。
「おはよう」
「…はよ」
「…今日も元気だな」
三者三用の反応に、アイツは首を傾げた。
「どうして前の人を掴んでるの?」
「――皆、遊んでるんですよ」
にっこり。
そんな効果音付きの笑顔が横から出る。
青空はさり気なくアイツの肩に手を置き、回れ右させた。
「ほら、バス来ましたよ」
そのままアイツをバスに押し込む。
「青空ってめぇ…」
「お客さん、乗るんですか、乗らないんですかー?」
「ああ、乗ります!」
ほら、哉太放して!
取り敢えず互いを放し、慌ててバスに乗り込んだ。




















二年生達何処へ行く。

こんにちは。部屋がカオスと化した木星人もどきの花月です。
今回のイメージはバス停。電車とかは無いかなーと思って。田舎だし、山の中だし。
これを書いたのは…なつかしい、スタスカが出た年の9月半ばですね。おそらく。←10月かも。
直後にダウンロードした冊子の最後のページ、カズアキさんの絵を見た瞬間に凄くびっくりした事は鮮明に覚えてます。だってバス停…!