ああ、私
はなんて
事をして
しまった
のだろう
。先ず思
ったのは
それだっ
た。次に
考えたの
は、どう
したら傷
付かずに
解決でき
るかとい
う利己的
なものだ
った。一
樹がどれ
だけ傷付
いたとか
、どう思
っただと
かは考え
なかった
のだ。小
指の甘皮
ほどでさ
えも。最
低な人間
だと罵っ
てくれて
いい。現
に私は、
まだ自分
中心に事
を運ぼう
としてい
る。この
行為を最
低と言わ
なくて何
と言うだ
ろう。「
――
、」びく
り、思わ
ず跳ね上
がるくら
いの低い
声が一樹
から聞こ
えた。否
、それは
私の過大
な不安が
(そして
恐怖が)
私の耳を
おかしく
しただけ
かもしれ
ないが、
一樹の声
が底知れ
ぬ暗さを
纏ってい
たのは確
かな事実
だった。
「」
無反応の
私に尚も
呼び掛け
る一樹は
、おそら
くもう私
の返事な
ど待って
はいない
。「ごめ
ん」一樹
が言った
。どうし
て彼が謝
るのだろ
う。手を
」出した
のは私の
方で、そ
れによっ
て深く傷
付いたの
は彼だと
いうのに
。一樹の
赤く腫れ
た頬が痛
々しい。
それは私
がつけた
きずだけ
れど、私
に謝罪す
る事で一
樹を追い
詰めてい
るのは彼
自身だっ
た。「ご
めん」「
謝らない
で」「ご
めんな」
「謝ら…
」謝らな
いで。一
樹は何に
も悪くな
い。悪い
のは私。
あなたを
置いて逃
げようと
する、私
だけ。
ぽたりとしずくが一つ、音を立てて落ちる。
涙をこぼしたのは誰?
夕暮れが紅く染める中で泣いたのは私ひとりだけだった。